2020年02月15日 忙しい大人に読んで欲しい本 ミヒャエル・エンデ 『モモ』
先月に読書したいなぁーと思い、購入して図書館で一気に読んじゃいました。
実は息子に読んで欲しくて購入したのですが、自分がハマってしまいました。
ミヒャエル・エンデ
『モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』

{簡単なあらすじ}
ある日、時間貯蓄銀行にいる灰色の男達が人々の時間を盗み始めました。
それにより、大人達はみんな時間に追われ、心に余裕が無くなります。
そして街は、いつしか『ギスギス』するようになりました。
ちなみに最初に時間を奪われるのは大人だけ。
忙しい大人達は、次第にモモをはじめ、子ども達に見向きもしなくなります。
時間が勿体ないからです。
モモの特技は人の話をただ聞いてあげること。
そして、モモに話を聞いてもらうと、何とも不思議なことに、話している本人がいつの間にか、抱えている問題の解決策を気付くことが出来るのです。
モモの元に訪れてくれていた大人たちはやがてこなくなり、モモたちは異変に気付き、訴えましたが、忙しい大人たちは見向きもしません。
灰色の男達は自分達が人々から時間を奪っていることに気付いたモモを捕まえようとします。
モモはいくつもの困難を乗り越えて、灰色の男達に盗まれた時間を人々に取り返してあげます。
つまり、この物語は、人の時間を食べて生きる灰色の男達の口車に乗って、大切な時間を売ってしまい、心に余裕が無くなった大人達に、モモが時間を取り返してあげるという物語です。
(感想です)
児童書です。対象年齢は小学校5年生ぐらいだそうです。
でも、時間を奪われた大人のように、忙しい大人こそ読むべき本だと思います。
この「モモ」は特に、僕のように40をこえて読むと非常に考えさせられる「一冊」です。
既に何らかのイベント。
育児とか介護とかを経験すると凄く考えさせられる。
勿論、人生における唯一の平等。
『時間』について
かなり昔に読んで、凄く印象に残っていた本です。
そして今読み返すと、全然違う感じがします。そこで現代と重ねて考えます。
「現代人の働く時間は、はたしてどれぐらいなんだろう?」
大抵の人は人生の大半の時間を仕事に費やしているのだろう。
日本人は『ワーカホリック』と海外の一部の方からは思われているみたいだし・・。
自分は独立してからは、そんなに長時間労働はしていないと思う。
というより多分、労働という概念があまりない。また、自宅事務所だから、家族といる時間は長い。
思い返してみれば、サラリーマン時代は労働の時間が長かった。
会計事務所の時は労働と受験勉強で、やはり時間に追われていた。
(変な日本語だが)時間に追われる期間は、長いようで短い時間だった。
時間って、凄く大事だなぁ。
中年になって、この本を読むと考えさせられます。
人の豊かさや幸せって何だろう?
現代人は、大昔の祖先様に比べて幸せなんだろうか?
幸せは極めて『主観的』なもので十人十色ですね。
お金なのか?周りの人なのか?趣味なのか?仕事なのか?
・・・全部かな。
この物語の世界観では、時間も富なんだよね。
モモの物語は児童向けだからかもしれないけれど、そういった幼い頃に当然に持っていた
純粋な感性を、中年になった自分に思い出させてくれたような気がします。
個人的には、お金も時間もバランスが凄く大切だと再認識しました。
当然の事ながら、バランスは人それぞれ。
余暇時間が少しでもあれば働きたいと思うのも、趣味を充実させたいので仕事は『そこそこ』というのもいい。
現代人の難しいところは、こういった『時間と仕事(お金)』に関して、各人の程よいバランスを、自由に選択出来る環境にもっていくことなんだよね。