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相続の開始があったことを知った日とは?

相続税の申告書は,「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に」提出することとされています(相法27①)。

なんか、既にここで一つの違和感が出てきますね。

「相続の開始があったことを知った日」とはなんだろう?

普通は、相続があった日じゃないのかな?

 

これに関しては詳しくは,「自己のために相続の開始があったことを知った日」である。
 

現代社会では.相続人は被相続人の死亡をその日のうちに知るのが通常であると考えられています。

ですので,(特に反証のない限り),被相続人の死亡日が相続人において自己のために相続の開始があったことを知ったとなると解されます。

 

ですので,通常の相続税申告書の常識では、被相続人の死亡日の翌日から起算して10か月経過後に申告書を提出すれば,期限後申告の扱いとなるでしょう。


仮に、これを期限内申告と主張するためには,相続人(納税者)自身が相続の開始を知った日について立証する責任があると考えられます。


なお.失踪宣告や認知の訴えにより相続人となる場合等の特殊なケースについての「相続の開始があったことを知った日」は,次のように取り扱われています(相基通27-4)。

 

①失踪の宣言を受け死亡したものとみなされた者の相続人又は受贈者

  ……これらの者が当該失踪の宣言のあったことを知った日

 

②相続開始後において当該相続に係る相続人となるべき者について民法30条の規定による失踪の宣告があり,その死亡したものとみなされた日が当該相続開始前であることにより相続人となった者

……その者が当該失踪の宣告のあったことを知った日

 

③民法32条1項の規定による失踪の取消しがあったことにより相続開始後において相続人となった者

……その者が当該失踪の宣告の取消しのあったことを知った日

 

④認知に関する裁判又は同法894条2項の規定による相続人の廃除の取消しに関する裁判の確定により相続開始後において相続人となった者

……その者が当該裁判の確定を知った日

 

⑤相続人の廃除に関する裁判の確定により相続開始後において相続人となった者

……その者が当該裁判の確定を知った日


⑥相続について既に生まれたものとみなされる胎児

……法定代理人がその胎児の生まれたことを知った日

 

⑦相続開始の事実を知ることのできる弁識能力のない幼児等

……法定代理人がその相続の開始のあったことを知った日(相続開始の時に法定代理人がないときは,後見人の選任された日)

 

⑧遺贈(被相続人から相続人に対する遺贈を除く。⑨において同じ)によって財産を取得した者

……自己のために当該遣贈のあったことを知った日

 

⑨停止条件付の遺贈によって財産を取得した者

……当該条件が成就した日。

 

さて、長くなりましたが、最後に課税庁側のことです。

相続の開始を納税者さんが「知った日」とは、納税者さんにしか分かりません。

税務署には当然分からないですよね??そこで下記の権利が認められております。

 

課税庁の決定処分(申告期限前の決定処分   

相続税法では,被相続人の死亡日の翌日から10か月が経過したときは,税務署長は,申告期限前であっても相続税の決定処分をすることができる旨を定めている(相法35②)。この規定により決定が行われた場合において,その処分に不服を申し立てるには,納税者において相続の開始を知った日の立証が求められることになります。

 

2020.2.8

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