中小企業白書から見る女性の創業の現状と税理士の役目
中小企業白書によりますと、女性は男性と比べると比較的若い時に創業することが多く、また、起業前の就業経験年数も男性に比べて短い傾向があるようです。やはり、女性は決断力があると言えるかも知れませんが、客観的に、女性の就業という観点から見ますと、結婚や家事・育児といった環境変化に応じて働き方を変えざるを得なかったという理由があるように感じます。


また、就業経験年数が少なく起業するとなると、それに伴う欠点も推測できます。まずは、創業分野における事業経験の不足でしょうか。それと人脈も就業年数に応じて増えてくると予測されます。あとは、資本金でしょうか?これも長く働きますと貯金が増えてきますし・・。
ですが、女性の創業はスモールビジネスを選択される方が多く、必要とされる開業資金が少ないですので、資本金についても自己資金のみで起業される方が多いです。
従いまして、軍資金不足はあまり欠点では無いような感じです。
また、女性の創業で最も多い開業業種は、【個人向けサービス業】で、女性の場合は、従業員も女性を雇い入れる方が多く、また、【個人向けサービス業】の中でもとりわけ、女性向けのサービスに特化していることも多いようです。
つまり、女性の創業は【女性による女性のための小さなサービス】をしている方が多いようです。

下記の資料は【男女別の起業時の課題】です。

男性の場合は、「開業資金の調達」が一位ですが、女性は「経営に関する知識・ノウハウ不足」が一位です。これらの悩みはつきものですが、幸いなことに我々税理士という職業は、個人事業や小規模企業から中小企業までの税務、財務、金融、経営に関して蓄積してきたノウハウや人脈があり、総合的なアドバイスが出来ますので、創業支援者の一人として、または話し相手として、有用にご活用して頂ければと思います。
最後に「家事・育児・介護との両立」が女性は男性の3.7倍弱となっており、女性は男性と比較して、家庭と仕事を両立できる環境が必要不可欠のようです。開業前にご家族と十分お話合いをされた上で、ご理解とご協力をして頂くことが必要です。